# ワンショットキー ワンショットキーは次のキーが押されるまでアクティブのままになり、そのあと放されるキーです。これにより一度に1つ以上のキーを押すことなく、キーボードの組み合わせを入力することができます。これらのキーは通常「スティッキーキー」あるいは「デッドキー」と呼ばれます。 例えば、キーを `OSM(MOD_LSFT)` と定義する場合、最初にシフトを押して放し、続いて A を押して放すことで、大文字の A キャラクタを入力することができます。コンピュータには、シフトが押された瞬間にシフトが押し続けられ、A が放された後ですぐにシフトキーが放されるように見えます。 ワンショットキーは通常のモディファイアのようにも動作します。ワンショットキーを押しながら他のキーを入力すると、キーを放した直後にワンショットキーが解除されます。 さらに、短時間でキーを5回押すと、そのキーをロックします。これはワンショットモディファイアとワンショットレイヤーに適用され、`ONESHOT_TAP_TOGGLE` 定義によって制御されます。 `config.h` でこれらを定義することでワンショットキーの挙動を制御することができます: ```c #define ONESHOT_TAP_TOGGLE 5 /* この回数をタップすると、もう一度タップするまでキーが押されたままになります。*/ #define ONESHOT_TIMEOUT 5000 /* ワンショットキーが解除されるまでの時間 (ms) */ ``` * `OSM(mod)` - *mod*を一時的に押し続けます。[モッドタップ](ja/mod_tap.md)で示したように、`KC_*` コードでは無く、`MOD_*` キーコードを使わなければなりません。 * `OSL(layer)` - 一時的に*レイヤー*に切り替えます。 * `OS_ON` - ワンショットキーをオンにします。 * `OS_OFF` - ワンショットキーをオフにします。OSM は通常の mod キーのように機能し、OSL は `MO` キーのように機能します。 * `OS_TOGG` - ワンショットキーの状態を切り替えます。 ワンショットキーをマクロあるいはタップダンスルーチンの一部として有効にしたい場合があります。 ワンショットレイヤーについては、キーを押した時に `set_oneshot_layer(LAYER, ONESHOT_START)` を呼び出し、キーを放した時に `clear_oneshot_layer_state(ONESHOT_PRESSED)` を呼び出す必要があります。ワンショットをキャンセルする場合は、`reset_oneshot_layer()` を呼び出してください。 ワンショットモッドについては、設定するためには `set_oneshot_mods(MOD_BIT(KC_*))` を呼び出し、キャンセルするためには `clear_oneshot_mods()` を呼び出す必要があります。 !> リモートデスクトップ接続で OSM 変換に問題がある場合は、設定を開いて「ローカル リソース」タブに移動し、キーボードセクションでドロップダウンを「このコンピューター」に変更することで修正することができます。これにより問題が修正され、OSM がリモートデスクトップ上で適切に動作するようになります。 ## コールバック ワンショットキーを押す時にカスタムロジックを実行したい場合、実装を選択できる幾つかのコールバックがあります。例えば、LED を点滅させたり、音を鳴らしたりして、ワンショットキーの変化を示すことができます。 `OSM(mod)` のためのコールバックがあります。ワンショット修飾キーの状態が変更されるたびに呼び出されます: オンに切り替わる時だけでなく、オフに切り替わる時にも呼び出されます。以下のように使うことができます: ```c void oneshot_mods_changed_user(uint8_t mods) { if (mods & MOD_MASK_SHIFT) { println("Oneshot mods SHIFT"); } if (mods & MOD_MASK_CTRL) { println("Oneshot mods CTRL"); } if (mods & MOD_MASK_ALT) { println("Oneshot mods ALT"); } if (mods & MOD_MASK_GUI) { println("Oneshot mods GUI"); } if (!mods) { println("Oneshot mods off"); } } ``` `mods` 引数は変更後のアクティブな mod が含まれるため、現在の状態が反映されます。 (`config.h` に `#define ONESHOT_TAP_TOGGLE 2` を追加して) ワンショットタップトグルを使う場合、指定された回数だけ修飾キーを押してロックすることができます。そのためのコールバックもあります: ```c void oneshot_locked_mods_changed_user(uint8_t mods) { if (mods & MOD_MASK_SHIFT) { println("Oneshot locked mods SHIFT"); } if (mods & MOD_MASK_CTRL) { println("Oneshot locked mods CTRL"); } if (mods & MOD_MASK_ALT) { println("Oneshot locked mods ALT"); } if (mods & MOD_MASK_GUI) { println("Oneshot locked mods GUI"); } if (!mods) { println("Oneshot locked mods off"); } } ``` 最後に、`OSL(layer)` ワンショットキーのためのコールバックもあります: ```c void oneshot_layer_changed_user(uint8_t layer) { if (layer == 1) { println("Oneshot layer 1 on"); } if (!layer) { println("Oneshot layer off"); } } ``` いずれかのワンショットレイヤーがオフの場合、`layer` は 0 になります。ワンショットレイヤーの変更では無く、レイヤーの変更で何かを実行したい場合は、`layer_state_set_user` は使用するのに良いコールバックです。 独自のキーボードを作成している場合、`_kb` と同等の機能もあります: ```c void oneshot_locked_mods_changed_kb(uint8_t mods); void oneshot_mods_changed_kb(uint8_t mods); void oneshot_layer_changed_kb(uint8_t layer); ``` 他のコールバックと同様に、更にカスタマイズを可能にするために `_user` バージョンを呼ぶようにしてください。